北海道・十勝から未来を切り開き、新たな価値を掘り起こすビジネスイベントとして、10月16日、17日と2日間にわたって開催された「KAIKON -開墾-」。1日目の10月16日は「KAIKON TOKACHI CARAVAN」が開催されました!
「KAIKON TOKACHI CARAVAN」は、十勝の一次産業など地域資源を活用したビジネスの現場を巡るフィールドキャラバンで、新たな事業創出や事業コラボレーションの促進を目指して行われたものです。
イベント当日は、十勝からは一次産業・食関連事業者、行政担当者などの方々が、十勝域外からは農業・酪農分野のソリューションを有する事業会社・スタートアップ、メディア関係者、支援機関の方々が参加し、十勝における一次産業現場の規模感や現場の課題感、六次産業化に向けた取り組みなどについて理解を深めました。
十勝における新事業創出・事業創発の可能性を秘めた種が多く蒔かれた本キャラバンの模様についてお届けします!
前田農産食品で十勝農業の概要を学び、ポップコーンの生産現場を視察
一行はまず最初に、前田農産食品(本別町)を視察しました。
ポップコーン用とうもろこし畑の見学からスタートし、同社代表の前田茂雄さんからはまず、十勝への入植から現在の農業形態に至った経緯、十勝農業の輪作体系の概要などに関する説明がありました。
また、参加者の皆さんによるとうもろこしの収穫体験も行われました。
その後、収穫後のとうもろこしの下処理を行う現場やポップコーン工場の視察を行いました。
前田さんからは、12月から3月までが農閑期となり雇用の維持が難しくなるという北海道農業の課題と向き合った結果、法人化を行ってポップコーンの製造・販売に乗り出した経緯、ポップコーンに小麦を混ぜることで水分量を一定程度に管理する方法の説明、今後国内市場が踊り場を迎えることを見据えたポップコーンの海外展開戦略などに関する説明があり、参加者の皆さんも熱心に説明に聞き入っていました。
牧場の価値向上に向けた取り組みとは?〜十勝しんむら牧場〜
続いて一行は、十勝しんむら牧場(上士幌町)を視察しました。
町の自然豊かな風景や農場の様子を広く見晴らせる「クリームテラス」の屋上を舞台に、同社代表の新村浩隆さんから、牛の健康を第一に考え、また自然エネルギーを最大限に活用した現在の放牧酪農のスタイル、牛と同様に雄大な自然環境の中での放牧飼育を行っているブランド豚「山森野豚(やまもりのぶた)」に関する説明がありました。
そして、十勝しんむら牧場は、牧場の価値向上にも力を入れています。
新村さんからは、牧場への来場者にいかに長く滞在してもらい牧場の価値を伝えていくかというテーマの元、コンテナを活用した「ミルクサウナ」などを新たに作り、牧場の多面的な価値創造に挑戦しているとの説明がなされ、参加者との熱心なディスカッションが交わされました。
十勝の新顔作物である「桃」を栽培するとかちフルーツビレッジを視察!
最後に一行は、とかちフルーツビレッジ(音更町)を視察しました。
北海道ではまだあまり事例の少ない桃の栽培に2023年から取り組む同代表の林本健志さんからは、地球温暖化の影響もあり、冬の寒さが厳しい十勝においても冷害対策を施して桃の木が越冬できたこと、ハウスと露地でそれぞれ桃を栽培し、特にハウスで育てた桃に付加価値を付けて販売を行っていく計画であること、桃の栽培ノウハウは形式知化されていないものも多い中、将来的にはAIなどの技術を活用しながら摘果作業を効率化させることを目指していることなどが説明されました。
ご参加いただいた皆さんからは、
「視察先での話を今後の自分のアクションに落とし込んで考えることができ、考えを深めることできた」
「十勝には本当に高い意識を持っている一次産業者が多いのだなと感じ、学びになったと共に自身のモチベーション向上にも繋がった。今後、視察先の方々との事業連携を検討したいし、他の面白い取り組みを行っている一次産業者についても知りたいと思った」
「キャラバンで現地の様子を知ることができたのがとても大きな収穫だった。東京から農業の現場を知るには、直接足を運ぶことが重要だということを再認識した」
といった声が聞かれ、ビジネスフィールドとしての十勝の可能性を知っていただく機会となったとともに、今後の連携・協業に向けた関係構築がなされた機会となりました。
そして、キャラバン終了後にLANDで行われた参加者同士のミートアップも大変な盛り上がりを見せた中、いよいよ熱狂の舞台は翌日の「KAIKON -開墾-」カンファレンスイベントへと移されます!
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