十勝Z団(トカチゼットダン)

公益財団法人とかち財団

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2021年10月21日に開催された「ちくだいスタートアップ体験プログラム」(以下「ちくスタ」)の第3回をレポートします。

「ちくだいスタートアップ体験プログラム」とは

本プログラムは帯広畜産大学の学生を対象に、ビジネスを一から立ち上げる「スタートアップ体験」をしてもらう事を目的に、全9回にわたる内容で構成。2年目となる今年度も昨年に引き続き、帯広畜産大学、帯広市、とかち財団LANDの連携事業として実施されます。

第3回目となるこの日は、前回に引き続き帯広畜産大学での開催となりました。

講師/いただきますカンパニー 井田芙美子さん

この日の講師は、十勝の農地をガイドする「農場ピクニック」という観光サービスなどを展開するいただきますカンパニー井田芙美子さん。学生時代に、帯広畜産大学に通っていた”畜大OG”でもあります。

いただきますカンパニーの井田さん(オンライン登壇)

井田さんは、十勝の農業には収穫する農作物以外に「景色」や「体験」にも価値があることに気付き、現在の事業の構想が生まれたと言います。そして「羊飼いになる」という目標をもって過ごした学生時代の話を中心に、自分が興味のあることをやり続けた結果、それが全て繋がり「起業」に至った経緯を説明しました。同じ大学の先輩の話を聞く学生たちも真剣です。

話を聞いた学生から「羊飼いを目指していたのに、就職(他の職業)へシフトしたのはなぜか?」という率直な質問がありました。井田さんは「ずっと羊飼いの生活に憧れがあったが、途中で『自分は美味しいラム肉を作りたい』訳ではないことに気が付いた。そして(羊飼いよりも)もっと自分が農業のためにできることが見つかった」と当時の心境の変化なども話してくれました。

最後に「とにかく今自分の興味があることを全力投球で取り組んで欲しい。今はわからなくても、きっと何かに繋がるはず。是非、前向きに取り組んで!」と後輩にエールを送りました。

経済人/一般社団法人 AgVenture Lab 荻野浩輝さん

今回の「経済人」のプログラムで登場したのは、一般社団法人 AgVenture Lab(アグベンチャーラボ)の荻野浩輝さん。この日は沖縄からオンラインで登壇していただきました。

AgVenture Labの荻野さん(オンライン登壇)

まずは国内だけでなく、海外のスタートアップの事例やトレンドを紹介し、起業家が足りていない日本の現状を説明。そしてAgVenture Labが手掛けている「アクセラレータープログラム(日本の農業に関する課題解決に繋がりそうな起業家を支援する取り組み)」の説明がありました。

学生からは「国内に起業家が足りないと何が問題ですか?」と質問があり、荻野さんは「日本企業の上位は昔から変わっていない。これはイノベーションが起きていないということ。世界的にみても特に農業系の遅れが目立っている」と問題点を説明しました。

最後に「私は学生の皆さんに、起業してほしいと言ってる訳ではない。ただ、起業家マインドや、チャレンジ精神をもって自分が入った会社をどんどん変えていって欲しい。是非、イノベーティブな人になってください!」と想いを伝えました。

グループワーク「身の回りの課題からアイディアを考えよう」

今回のグループワークは、前回のプログラムで宿題として出されていた「身の回りの課題からアイディアを考えよう」というテーマのワークシートを発表。講師の方々も一緒に学生が思う課題とアイディアを聞いてもらいました。

身近な課題を発表する学生

発表の中で「バスの本数が少ない」「大学の近くに飲食店が少ない」など、今の生活に直結する不満、「悩みを言い合えるコミュニティが欲しい」や「夜中騒いでもOKなキャンプ場が欲しい」などの様々な案が発表されました。

ワークシートにはたくさんのアイディアが

話を聞いた井田さんから「起業と考えると大きなステップに感じるかもしれないが、今思ってる小さな悩みや問題をどうやって解決するかを自分でアクションを起こすことが非常に良い練習になる」とアドバイス。

荻野さんからは「(『騒いでもOKなキャンプ場』のアイディアに対して)周りから『え~?』と思われるアイディアの方がビッグチャンスになることがある。これから色々訓練すれば、とても良いアイディアになると思います」と学生の背中を押しました。


自分の意見やアイディアが、少しずつプログラムに反映された第3回目のプログラム。次回は十勝の企業を深く知るためのフィールドワーク。今年度は北十勝の企業を(オンラインで)訪問します!