2021年10月14日に開催された「ちくだいスタートアップ体験プログラム」(以下「ちくスタ」)の第2回をレポートします。
「ちくだいスタートアップ体験プログラム」とは
本プログラムは帯広畜産大学の学生を対象に、ビジネスを一から立ち上げる「スタートアップ体験」をしてもらう事を目的に、全9回にわたる内容で構成。2年目となる今年度も昨年に引き続き、帯広畜産大学、帯広市、とかち財団LANDの連携事業として実施されます。
第2回目となるこの日は、帯広畜産大学での開催となりました。初めて対面で挨拶を交わす学生の顔には、少しだけ緊張の色が見えました。
まずは、とかち財団の山口壮太さんから「今回からようやく対面で実施できることになりました。ビジネスプランニングの基礎を皆さんと一緒に学んでいきたいと思います」と開会の宣言がありました。
(左から)会場の様子/開会の宣言をする山口さん
この日、最初の講師を務める株式会社エントライズマネジメントの野村幸司さんは、自己紹介を交え「銀行って何?」「社長って何?」「赤字って何?」「スタートアップって何?」など学生に次々と質問し、会話をしながらビジネスの基礎を解説していきました。
会話スタイルでビジネスを解説する野村さん
野村さんは「この体験プログラムは、物事をビジネスとして考えるためのステップ。もしこの先、皆さんが起業したいと思ったときに、自分の考えを組み立てるきっかけにして欲しい」と学生に想いを伝えました。
続いて、学生にとって身近な「学食」をテーマに、アイディア創出を目的としたグループワークを実施。
まずは「混むから行かない」「メニューがマンネリ」「(営業)時間が短い」など、現在の学食に対して『不満』に思っていることを挙げ、そうなる『原因』、自分の思う『理想の学食』、それを実現するための『改善アイディア』を、それぞれ付箋に書き、シートに貼っていきました。
書き出された意見やアイディア
グループワークの最中、最近の学食事情を聞いていた”大人達(事務局)”からも「私が学生のときはそんなの無かった」「私たちの時代は…」など、学生と大人が一緒になって意見を出し合い盛り上がりを見せました。
学生と一緒に会場にいる大人も混ざってグループワーク
このグループワークの様子を見守った野村さんから「考えるときはフレームワークを活用すると良い」さらに「いきなり素晴らしいアイディアなんて出ない。まずは色んなアイディア、とにかく数を出すことが大事」と学生にアドバイスがありました。
ワークで出たアイディアを整理し説明する学生
後半の「十勝経済人」のプログラムでは株式会社農業情報設計社の濱田安之さんがオンラインで登壇。
株式会社農業設計社の濱田さん(オンライン登壇)
元々、国の研究機関にいた濱田さんは「自分が作った物を人の役に立てたい」という想いで、研究者の道からベンチャー企業を立ち上げた経緯を話してくれました。そして自身の経験を踏まえて「事業に対する覚悟は相手(お客さん)に伝わる。この覚悟が非常に重要です」と学生に話しました。
時折ユーモアを交えたスライドで事業を説明
また、開発したアプリがその分野で世界トップシェアを誇り、99%が海外のユーザーという話を聞いた学生から「最初から海外をターゲットにしていたのか?」と問われると、濱田さんは「最初から海外で通用するものを作って、その後で国内に持ち込む形でないと、世界との競争で勝負にならない」と説明しました。
WEBカメラ越しに質問する学生
他の学生から「父が酪農業をやっているので濱田さんのアプリを紹介したい」と感想を述べられると、濱田さんが「ありがとうございます」と返し、会場の笑いを誘う場面もありました。
第2回目の今回は、野村さんの講義で「ビジネスの基本」を学び、グループワークで「アイディアを発想」するトレーニング、そして濱田さんのお話で「経営者の覚悟」を知りプログラムは終了しました。次回のプログラムでは「ビジネスを組み立て方」について学んでいきます!