2020年10月24日に開催された、第3回「ちくだいスタートアップ体験プログラム」はフィールドワーク! 十勝の多様なコンテンツや産業に触れながら、ビジネスについて学びます!
「ちくだいスタートアップ体験プログラム」とは
本プログラムは帯広畜産大学の学生を対象に、ビジネスを一から立ち上げる「スタートアップ体験」をしてもらう事を目的に、全8回にわたる内容で構成。最終的な目標として翌年2月開催予定の「ビジネスプランコンテスト」に向け、帯広畜産大学、帯広市、とかち財団LANDの連携事業。
バスは最初の訪問先である「株式会社北海道畜産公社 十勝工場」へ。事業の説明を受けた後、30分の動画で畜産公社の取り組みについて学びます。内容は「生体牛の受け入れ~製品出荷」の食肉製造の概要を中心に、品質や安心安全を実現するための管理体制、最新の技術や屠畜場の環境などについてでした。動画の後は、マルハニチロ株式会社の岩崎さんから国内外の食肉事情や“牛肉の多様性”に対する生産者の取り組みがスライドで紹介され、「世界的なトレンド、それぞれの土地や自分の環境を考慮して情報の感度を高めてほしい」と激励を受けました。
2カ所目は更別村にある「十勝さらべつ熱中小学校」です。理事長の木野村さんから熱中小学校の事業や施設、人材育成への取り組みについて説明を受けました。続いて、立ち上げに携わった亀井さんからは“新しい挑戦に向いている”更別村という場所のメリットを教わり、「皆さんの人生で、学んだ知識をふるさとに貢献できるヒントになれば」とメッセージをいただきます。
講義の後はそのまま会場をお借りして、学生同士の自己紹介を行いました。現在興味があること、実際に取り組んでいることに加え、本日のフィールドワークで一番楽しみにしている施設と理由をスピーチします。それぞれ全員がしっかりと目的を持って参加している姿がとても印象的でした。
広尾町まで移動し、3カ所目の「菊地ファーム」へ。畜大OBでもある菊地さんご夫妻から、就農の経緯や牧場の概要、具体的な体験談とともに「事業として成り立たせる大変さ」を教わりました。質疑応答では牧場経営の生の声を聴くことができるチャンスに、学生から多くの質問が飛び出しました。その後は、放牧されている牛の近くへ。フィールドワークならではの体験に、参加者の笑顔が絶えません。
続いてバスは大樹町へ。4カ所目の訪問先は「メムアースホテル」です。競走馬の育成牧場があった場所に実験的な住居・施設を建て、ホテル運営している、代表の野村さんから、事業の概要や取り組みへの考え方を学びます。「それぞれの五感で感じたことを大切にしてほしい」というメッセージを受けてから各施設の視察に向かいました。それぞれの宿泊施設が持つ設計の経緯やコンセプト、部屋の機能の説明に、参加者からは感嘆の声が上がります。
5カ所目は、同じ大樹町にある「インターステラテクノロジズ株式会社」です。マネージャーの中神さんから、宇宙空間での事業を成り立たせるためのコンセプトについて教わります。続く工場見学では、開発から実験までのスピードが速いことのメリットや、過去の実験失敗から学んで活かすことの重要性について学びました。開発中の“実際にロケットに取り付ける部品”に、熱い視線が集まります。
最後の訪問先は、同じく大樹町「大石農産」です。代表の大石さんからは、祖先が入植してからダイコンやソバを生産することになった経緯や苦労したこと、「安定した収入を得ることの大切さ」について学びます。土地を開墾すること、生産物のブランド化、周囲の離農や事業の展開など“農家としての体験談”に耳を傾けました。
「今日は畜産公社の屠畜場について学ぶのが目的で参加しました。以前からアニマルウェルフェアに興味があったのですが、映像では屠畜場に水飲み場があったりなど、思ったより牛が落ち着いていたのが印象的でした」
「菊地ファームでは、乳廃牛を食肉として提供できていること、そしてとても複雑な想いだったと伺ったが、“どうしても自分たちで消費するんだ”という選択がとても素晴らしいと思いました」
一日かけて十勝を駆け巡った今回のフィールドワーク。現場で聴く“生の声”には、教室とはまた違った学びがあったのではないでしょうか。次回から始まる商品開発の講義で、本日の体験がどう活かされていくのか楽しみです!