十勝Z団(トカチゼットダン)

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とかち・イノベーション・プログラム(TIP)2018【第4期】とは

十勝での新事業創造を目指す参加者が、5ヶ月に渡るセッションを通して仲間を見つけ出し、事業プラン発表までを支援するプログラム2015年に第1期が実施され、今年で4期目第3期までに打ち出された28件の事業構想の内、7つの事業が会社設立※に至っている

※2018年6月11日時点

  • 期間:2018年7月~11月
  • 参加者:十勝の経営者、個人事業主、起業希望者など、総勢81名
  • 主催:帯広信用金庫
  • 共催:北洋銀行、北海道銀行、北海道⼆⼗⼀世紀総合研究所、道銀地域総合研究所、⼗勝19市町村
  • 協力:野村総合研究所、とかち財団
  • プログラム内容(全9回)
  1. キックオフセッション
  2. チームビルディングセッション
  3. 事業創発セッション①
  4. 事業創発セッション②
  5. 革新者※刺激セッション①(北海道胆振東部地震の影響により中止)
  6. 革新者刺激セッション②
  7. ブラッシュアップセッション①
  8. ブラッシュアップセッション②
  9. 事業化支援セッション

※革新者:革新的な事業モデルを展開している、全国各地の実力者

事業化支援セッション

前回に引き続き、11月15日に実施されたTIP【第4期】最終回となる「事業化支援セッション」のレポートをお届けします!

モッタイナイ不動産

チーム名:モッタイナイ不動産 / チームメンバー:加藤舞さん、木村真之さん、高橋温子さん、高橋一彰さん、山川知恵さん

加藤さん「アメリカの中古住宅のシェアは83.1%日本は14.7%です先進国では当然のように再利用されている中古住宅も、日本では空き家と化しているのです私たちは、競合不在のブルーオーシャンと言える“モッタイナイ”空き家市場に焦点を当て、本事業を構想しました」

「空き家リノベーション」から、住民主体のまちづくりを始めます

加藤さん「十勝で増え続ける空き家を、メンバーのスキルやノウハウを活かし、チームの力でリノベーションします空き家の活用方法に悩むオーナーや、まちなかへの出店を希望している方、低予算で住宅を購入したい方などのニーズに応えられると考えています」

加藤さん「空き家を点、まちを面で捉えた時、空き家リノベーションは“まちづくりの視点”から行う必要がありますまちづくりは、行政だけの仕事ではありません本来は住民が考えるべきことなのです行政と連携しつつ、住民主体のまちづくり活動を進め、コンパクトで住みやすいまちを目指します」

●サポーター 木村さん(野村総合研究所)のコメント
木村さん「現状に問題意識を持っているプロが集まり、チームが組まれました少ない資本、少ない労力で空き家問題を解決し、より良いまちに変えていける構想だと思います」

情報の無い情報誌

チーム名:北海道十勝ディープトリッパー / チームメンバー:真浦綾子さん、高橋一彰さん

真浦さん「情報が溢れる現代“垂れ流しの情報”は不要だと感じている方も多いのではないでしょうか一方で、情報の送り手として“心から伝えたい十勝の魅力”もあるのです私たちは、WEBサイトの情報発信力に差が開き始めた今だからこそ、紙媒体の安定した人気に着目し、本事業を構想しました」

情報を削ぎ落とした冊子で、十勝をシンプル・クリアに発信します

真浦さん「“情報の無い情報誌”を発行し、読者が能動的に情報収集を行うきっかけを提供します本誌には、紹介記事や電話番号、住所などは一切掲載しません3枚の画像、キーワード6個、“検索してほしいワード”だけのシンプルな誌面構成となります」

真浦さん「“情報が無い”という特徴を最大限に活かすため、“禁断・秘密めいている・全貌不明”といった内容にもこだわり、想像を膨らませる余地を残します読者は自らの意思で検索行動を起こすので、収集した情報が強くインプットされ、次のアクションにつながりやすいと考えています」

●サポーター 坂口さん(野村総合研究所)のコメント
坂口さん「読者が実際に行動に移す“転換率が高い情報”を発信できると思います広告・広報のあり方を大きく変えるアイデアではないでしょうか」

十勝DEADspace

チーム名:十勝DEADspace / チームメンバー:米澤愛さん、小林友美さん、米脇将郁さん

米澤さん「最近、日本のゾンビ映画が大ヒットしましたが、ゾンビ映画の歴史は長く、世界的に根強い人気を集めています私たちは、十勝に存在する(廃墟などの)“古い・汚い・怖い”マイナス要素をプラスに変えるべく、“ゾンビ”と“デッドスペース”を組み合わせた事業を構想しました」

「ゾンビ」で十勝を元気に復活させます

米澤さん「十勝中でゾンビをテーマに活動し、3段階のステップを踏んで法人化を目指しますまず、ゾンビメイクやゾンビアクターを派遣する、第1段階ゾンビイベントを300人規模で実施します次に、“メイクダウン”アーティストの養成・派遣を行う第2段階ゾンビイベントの規模を拡大し、3,000人動員を目指しますそして、最終ステップとなる第3段階では、30,000人規模のゾンビイベントを開催法人を設立します」

緊急事態宣言!!

ゾンビ化を引き起こす『T8ウイルス』感染が拡大しています!

米沢帯広市長や、司会・進行の三品さん(帯広信用金庫)がゾンビに襲われ、大盛り上がりとなりました

●サポーター 鞘野さん(推進チーム)のコメント
鞘野さん「メンバー全員が個性的で、“ゾンビが好き”というシンプルな動機に突き動かされる姿が印象的でした本プログラムが求めてきたクレイジーさとは、このような情熱から生まれるのかもしれません」


こうして、全10チームのプレゼンテーションが終了

アドバイザーから、本セッションに対する感想と示唆に富んだコメントがありました

●ムラタオフィス 代表取締役社長 村田利文さん(写真左)
「着眼点が鋭く、実現しやすい構想が多かったように思います原価ゼロ円の隠れた資源を掘り起こすなど、足元の課題から取り組むアイデアが素晴らしかったです」

●浦田コンサルティングオフィス 代表 浦田祥範さん(写真中央)
「事業のスケールを大きくしていくには、認知度を上げる必要がありますネットワークを広げつつ、常識に囚われない発想を大切にしていただきたいと思います」

●北洋銀行地域産業支援部 常務執行役員審議役 塚見孝成さん(写真右)
「今期誕生した構想には、ディープなものが多い印象でした地方創生の本質的な課題を捉えたアイデアに、TIPの真価が存分に発揮されていたように感じました」

最後に、野村総合研究所の此本社長により“今後の展開への期待”が語られ、本プログラム全8回のセッションがすべて終了しました

チームの仲間探しから始まった本プログラム“事業構想を練り上げる”までの葛藤の日々は、今回の発表をもってひと段落となりましたが、各チームは今後、“構想を具現化する”ために始動します!

TIP1~3期までの参加者や、今期チームを組まなかった参加者達の姿も見受けられた会場には、“人と人との出会いからイノベーションを起こそう!”という熱気が満ちていました