十勝Z団(トカチゼットダン)

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とかち・イノベーション・プログラム(TIP)2018【第4期】とは

十勝での新事業創造を目指す参加者が、5ヶ月に渡るセッションを通して仲間を見つけ出し、事業プラン発表までを支援するプログラム。2015年に第1期が実施され、今年で4期目。第3期までに打ち出された28件の事業構想の内、7つの事業が会社設立※に至っている。

※2018年6月11日時点

  • 期間:2018年7月~11月
  • 参加者:十勝の経営者、個人事業主、起業希望者など、総勢81名
  • 主催:帯広信用金庫
  • 共催:北洋銀行、北海道銀行、北海道⼆⼗⼀世紀総合研究所、道銀地域総合研究所、⼗勝19市町村
  • 協力:野村総合研究所、とかち財団
  • プログラム内容(全9回)
  1. キックオフセッション
  2. チームビルディングセッション
  3. 事業創発セッション①
  4. 事業創発セッション②
  5. 革新者※刺激セッション①(北海道胆振東部地震の影響により中止)
  6. 革新者刺激セッション②
  7. ブラッシュアップセッション①
  8. ブラッシュアップセッション②
  9. 事業化支援セッション

※革新者:革新的な事業モデルを展開している、全国各地の実力者。

革新者刺激セッション②

先日実施された、TIP【第4期】5回目となる「革新者刺激セッション②」のレポートをお届けします!

去る9月28日。「北海道胆振東部地震」の翌日に実施予定だった前回のセッションが中止となり、約1ヶ月ぶりに集まった参加者達。開始2時間前に解放された会場(帯広信用金庫セミナールーム)では、早めにやってきた参加者達が、事業アイデア※の協議をおこなっていました。

※事業アイデア:参加者が前回までにチームを組み、構想したもの。

本プログラムも後半に差し掛かった今回のセッションでは、「革新者」の話から得た気付きをチームの仲間と共有。そうして事業アイデアをレベルアップさせていくのだそうです。

「革新者」株式会社重富酒店 重富寛社長

広島県で酒類を販売する㈱重富酒店の3代目社長。他店と競争せず、“近隣の飲食店に送客”する角打ちの店「ビールスタンド重富」が大盛況。重富社長が開設した「生ビール大学」では、ビールの世界史から注ぎ方までレクチャーし、地元・広島をはじめ、日本中に“美味しい生ビール”を広めている。「おはよう日本」や「ワールドビジネスサテライト」など、多数のメディアから注目を集める。

「一杯のビールが子ども達の笑顔につながる」㈱重富酒店 重富社長

最愛の我が子の幸せのために

娘さんを持つ重富社長。「我が子の幸せは、周囲の人々の幸せなくして実現しない」ということで、地域の子ども達のためのイベントやPTA活動、子ども電話相談などに尽力したそうです。その経験から、子どもを守る“親の幸せ”こそが、子ども達を幸せにするという結論に至ったのだとか。
酒店として“親を笑顔にする”美味しい生ビールを提供したいと考えた重富社長は、同時に美味しい料理も提供しようと居酒屋をオープン。しかし、そのお店は閉店することに…

目の前の1人のために

居酒屋閉店の原因が、豊富なメニューを揃えた裏で生ビールの提供が“作業化”したことにあると考えた重富社長。生ビールを最高の状態で提供できるお店を目指し、17時~19時までの2時間限定、3坪に10席だけの角打ちの店「ビールスタンド重富」を始めることにしたそうです。メニューを絞り、生ビールの注ぎ方に徹底的にこだわった結果、1日200~300人が行列をつくる人気店となったのだとか!混雑時は2時間近く待たせてしまうこともあるそうですが、「“味”でお返しするしかない」という信念のもと、目の前の1人のために心を込めて生ビールを注いでいるのだそうです。

「美味しい生ビールが親を笑顔にします。親が笑顔なら、子どもは辛いこと、しんどいことに、立ち向かっていけます!

受けた刺激を事業アイデアへ

こうして重富社長から刺激を受けた参加者達は、自分たちの事業アイデアに対する気付きを、冒頭に配布されたワークシートにびっしりと書き込んでいました。

重富社長への質問は、付箋に書き出していきます。付箋を表に張り出したところで、一旦休憩。
付箋1枚に「質問1つ」のルールでしたが、付箋1枚に収まる参加者の方が少ない様子。誰もが意欲にあふれています!

セッション再開後、参加者からの「生ビールで笑顔を増やした実感はありますか?」という問いに対し、重富社長は「お客様を笑顔にすると、結果的に自分が笑顔になります。自分の笑顔が一番増えたかもしれませんね」と笑っていました。

質問タイムが終了し、いよいよワークシートの内容をチーム内で共有します。事業アイデアについて、信念から話し始めるチーム、メンバーの状況やハード面から話し始めるチームなど…進め方はそれぞれ。しかし、どのチームも「自分たちの事業で、人の心にどんなインパクトを与えたいか?」という視点から、熱心に議論していたようでした。

運営の思い

最後に、本プログラムに対する“運営の思い”が、TIP事務局の一員であるとかち財団の高橋司さんから語られました。

「本プログラムで実現したいのは、新たなビジネスモデルを通して、参加者ひとり一人の思いや能力が発揮される“最適化”です。そして、1人ではできないことも、運営を含めた仲間と一緒ならば実現できます。クレイジーなアイデアで、ここ十勝から、攻めていきましょう!」

終了後、重富社長が注いだ“極上”生ビールで…

お疲れさま!!

会場では、託児室から親の元へ戻った子ども達と他の参加者達が、楽しそうにコミュニケーションを取っていました。その姿は、まるで本物の親子。事業アイデアを実現させるための環境が、すでに整っているように感じました。

次回「ブラッシュアップセッション①」に続きます!