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今年で5年目!高校生課題解決型プログラム「Tokachi EGGs2025」レポート

2025年8月5日~8日に高校生団体『CAN-PASS』が主催する十勝の高校生を対象とした課題発見・解決プログラム『Tokachi EGGs~十勝を本気で愛す最高の4日間~2025』が開催されました。十勝の未来を担う若年層の活動をお届けします!



「十勝の課題はなんだろう?それに対して私たち高校生ができることは?」


CAN-PASSが企画するTokachi EGGsは、十勝の高校生が大学生メンターと一緒に地域の課題を見つけ、その解決策を考える『課題解決型青春体験プログラム』です。今年で第5回目の開催となり、過去には、企業と協力してコワーキングスペースのリニューアルをプロデュースしたり、冬に高校生が行きたくなるような駅前イルミネーションのデザインを提案するなど、実際に高校生が考えたアイディアが地域の中で実現する事例も生まれています。
4日間にわたるプログラムでは、身近な社会課題に目を向け自ら考え行動する力を育むこと、また、地域に対する理解と関心を深めるとともに、個人が成長することを期待しています。


主催【CAN-PASS(キャンパス)】
2020年3月に「マスク橋渡しプロジェクト」をきっかけに発足した十勝の学生による高校生団体。初代代表の明日見和佳さん(当時高校3年生)が本プログラム「Tokachi EGGs」の第1回目を開催し、今年で第5回目となる。現在は小野塚愛琉さん(高校3年生)が代表を務め、活動を続けている。

CAN-PASS5代目代表 小野塚 愛琉さん




本プログラムを共催するとかち財団は、「十勝の課題を発見し、解決策を考える」という体験は、「起業家がビジネスを構築する際の考え方にも繋がるものである」と捉え、高校生ならではの感性で十勝の未来や自身の将来への可能性・選択肢を広げて欲しいと考えています。課題解決を通じて仲間と思う存分楽しみながら、それぞれの価値観や視点に触れ共有することで最高の青春を過ごし、さらにはプログラムを体験した後に「実はこれって起業の第一歩でもあったんだ!」と、気付きを得てくれることを期待しています。

本プログラムは参加者(高校生)が4チームに分かれて活動します。1チーム4名程度、各チームのメンターは金田和大さん(産業能率大学3年)、堀口進さん(帯広コア専門学校2年)、松田菜乃葉さん(北星学園大学1年)、慶長駿太さん(青山学院大学3年)が務めました。

DAY1


イベント1日目。総勢17名の参加者が続々と集合!
初対面や初参加の学生も多く、少し緊張感がある中プログラムがスタートです。
始めに、CAN-PASS代表の小野塚さんから本プログラムのビジョンや目的の説明を行い、高校生達に共通認識を持ってもらいました。


自己紹介&アイスブレイク


まずは参加者の自己紹介タイム!
高校生参加者、大学生メンター、LAND職員がニックネーム・趣味・好きな食べ物等を共有しました。それぞれのユニークな面が次々と飛び出し自然と会場の空気も和やかに。

続いて行われたのはペーパータワーチャレンジ。A4用紙のみを使って最も高いタワーを作るゲームで、チームごとに作戦会議1分、制作5分という条件で2回戦を行い、盛り上がりながら全体で交流を深めました。


チームディスカッション開始


チームの団結力も高まったところでいよいよ課題発見に取り掛かります。初めはLANDを活用してチーム内で意見交換を行うチームが多く、後半にはフィールドワークのために外に出るチームも。
温泉をテーマに意見交換を進めていたチームは、現在移動式モール温泉足湯に取り組む方から話を聞く機会を作るなど、各チームともテーマ設定や情報収集に積極的に取り組みます。


Day2

先輩学生起業家 小倉ことみさんによる講話


Tokachi EGGsでは、2日目と3日目の前半に先輩起業家による講話の時間を設けています。
事業を立ち上げるきっかけや壁にぶつかった時のエピソード、そして乗り越えた先に広がるやりがいなど、実際に挑戦している人の生の声を聞けるのが魅力で、参加者にとって大きな刺激となっています。

2日目の前半は、令和7年度LAND奨学金採択者でもある小倉ことみさん(帯広畜産大学4年、LANDサークル生)による講話からスタートです。現在小倉さんは、未活用エゾシカ資源に着目しサブスクリプション型キャットフード「にゃんこめし」の事業化に取り組んでいます。高校時代には地元・山梨県早川町での「かき氷屋」プロジェクトに挑戦しマイプロジェクトアワード全国大会へ出場するなどの経験があり、高校生へのメッセージとして「好きを貫く」「まず言葉にする」「挫折も糧である」の3点を強調しました。


課題解決に向けて情報を集めろ!


午後からは各チーム情報収集のために外へ!
駅周辺施設の活性化を検討したチームは、帯広駅2階の使用されていないスペースに着目し高校生にとって魅力ある場所づくりを考えたり、別のチームでは、高校生が安心して恋愛相談できる匿名型プラットフォームの構想を練りました。また動物園との連携企画や高齢者支援のボランティア活動、除雪人材不足といった現実的な課題に着目しその解決の糸口を探るチームもあり、各チームともフィールドワークや議論を通じて自らのテーマを具体化するために活動を進めました。


Day3

合同会社NTM 村井誠剛さんによる講話


3日目の前半は合同会社NTMの村井さんによる講話からスタートしました。
岐阜県美濃市出身で大学院進学を機に北海道へ移住した村井さんは、実家や地域の農業を守りたいとの思いから起業に挑戦しましたが、事業は困難の連続でした。数々の挫折を経験しながらも転機となったのはパキスタン学生との出会い...!ヒマラヤ岩塩事業を立ち上げ、起業家への弟子入りもしました。現在は合同会社NTMの代表として酪農家に安価で岩塩を届ける事業を展開し、北海道内で2万5000頭以上に利用される事業へと成長させました。高校生へのメッセージとして「自分なりの成功と幸せの定義を持つこと」「期待値の高い選択を積み重ねること」と伝えました。

村井さん、小倉さんそれぞれの体験談やメッセージは、高校生にとって将来を考えるうえで多くの気づきと刺激を与えてくれました。実際に挑戦を重ねてきた先輩の言葉だからこそ心に響き、有意義な学びの時間となりました。

情報収集もラストスパート!


昨日に引き続き本日もフィールドワークへと出かけます。アイデアをより具体化するため、対象者へのインタビューやアンケートを実施するチームや、動物園の園長に直接話を聞きに行くチームの姿がありました。中には、すでに資料をある程度完成させ、考案したアイデアの実践や他のチームメンバーにテストプレイを依頼するチームも!
明日の最終発表に向けてラストスパートをかけます!


Day4

あっという間に最終日!プレゼン資料も完成へ


4日間のTokachiEGGsも気づけば最終日。
プレゼン発表を控え、各チームは資料作りや発表準備に取り組みました。完成した資料をもとにプレゼン練習を重ねるチームや、中にはギリギリまで調査を続けるチームも。それぞれのチームが最後まで熱心に活動する姿が見られました。
発表の順番は高校生らしくじゃんけんで決定!期待が高まるなか、いよいよ最終発表のスタートです!


チーム TAGIRI



『チームTAGIRI』は、高校生の恋愛相談に注目。友達に相談すると噂が広まるリスクや、既存SNSでは地域性が十分に反映されないことが課題だと考えます。そこで、相談者が相談役にもなれる循環型の匿名相談サービスを提案。人間関係図を使ってお互いの状況を理解できる仕組みも特徴です。テストプレイでは、相談者は地域に合った具体的なアドバイスが役立つと実感し、相談役も共感することの大切さを体感しました。今後は守秘義務の徹底やアンケートの工夫など、より安心して使えるサービスにしていく予定です。


チーム chiva



『チームchiva』は、帯広動物園の活性化をテーマに活動しました。高校生が楽しめる動物園を目指し、園長へのヒアリングを通して、動物への餌やり体験やコースをライトアップした夜間ゴーカート、帯広市長によるユニークなアナウンスの放送、規格外野菜のエサへの活用など、多彩な提案を行いました。中でも、SNS映えするフォトブースの設置や、次年度パンフレット作成への参画、ハロウィンイベント企画は実現可能性が高いと評価。今後も園のイベントと連携し、継続的に企画を担っていく予定です。


チーム ホットフット



『チームホットフット』は、モール温泉の認知度向上をテーマに活動しました。駅前広場での夜間足湯イベントを提案し、参加者は受付後に駄菓子を購入して、ふく井ホテルの移動式足湯に浸かりながら夜空を楽しむ仕組みです。ターゲットは部活動後の学生や仕事帰りの社会人で、エモーショナルな体験を提供することを狙いとしています。天候不良やごみ問題などの課題も、傘の販売やゴミ箱の設置で対応可能とし、観光客へのPR効果も期待。帯広の魅力発信につながる企画となりました。


スピ魚



『チームスピ魚』は、帯広駅の空きスペース活用をテーマに活動しました。帯広駅2階を拠点に、流行の飲食店やファッションブランドを導入し、高校生が自然に交流できる場を創出する構想です。目的は若者の流行体験や交流の促進、電車やバスの待ち時間の有効活用で、帯広全体の活性化にもつなげることを目指しています。SNSでの発信や地域企業との連携によって、実現可能性も高まる企画です。

終わりに


全4チームの発表が終わり、最後にはメンターから各チームへフィードバックがありました。
メンターからは、誰にでもわかる言葉で端的にテキパキと話すことの大切さを継続して意識できていた点や、実現可能性の高い発表もあったこと、短い準備時間の中でしっかりと内容をまとめられたことなど、参加者の成長や努力を称える声が寄せられました。また、人と人とのつながりの大切さにも触れ、このプログラムで出会えた縁を大切にしてほしいとの温かいメッセージもいただきました。

最後にLANDスタッフからは、高校生団体CAN-PASSが主体となり大学生メンターと協力しながら今回のイベントをやり切ったことに称賛の言葉が贈られ、課題を見つけ解決策を考え自ら挑戦する過程は、現代社会で求められる起業家精神『アントレプレナーシップ』に直結すると伝え、このマインドを自分の将来に活かして行って欲しいとエールを送りました。

おまけ


最後は参加者全員でピザパーティーを開催!4日間夢中になって最高の夏を駆け抜けた参加者たちには熱い絆が生まれ、達成感や充実感で溢れる様子でした。十勝の未来を担う高校生たちの今後の活躍が今から楽しみです!


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