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海外スタートアップとの連携から拓かれる新たな地平 ”Tokachi Innovation Caravan”レポート!

2月5日、十勝管内の事業者と海外スタートアップとの連携事業創出・事業創発を目的として、”Tokachi Innovation Caravan”が開催されました!

本イベントは、1月29日〜2月2日の期間で札幌において行われた”Hokkaido Innovation Week” の関連イベントとして行われたもので、イベント当日は、アグリ・フードテック分野の海外スタートアップ・支援機関による十勝管内の生産・流通現場の視察が行われた他、LANDにおいて海外スタートアップ・支援機関によるピッチイベント・交流会が開催されました。

十勝管内の事業者と海外スタートアップとの連携による新事業創出・事業創発の可能性が多く生み出された本イベントの模様についてお届けします!

参加した海外スタートアップ・支援機関

(スタートアップ)
ÄIO(エストニア):微生物による発酵を利用し、食品副産物をアップサイクルして栄養価の高いオイルを開発
Arctic Farming(フィンランド):NASAの技術から着想を得た、完全自動の屋内用小型バーティカルファーミング(垂直農法)技術
AVISOMO(ノルウェー):バーティカルファーミングを最適化する生育ステーションやソフトウェアの開発
Norwegian Mycelium(NoMy)(ノルウェー):菌糸体を活用し、食品副産物から栄養価と費用対効果に優れた代替タンパク質を開発
ORANGE WASABI(オーストラリア):従来農法に比べて栽培に使用する水の量を大幅に抑えた、本わさびの水耕栽培技術
Sensonomic(ノルウェー):農作物のデータを記録し、AIによる分析およびアドバイスを行う農 業用プラットフォームを開発

(支援機関)
A+F & GROW Accelerator(シンガポール):東南アジアのアグリ・フードテック分野のアクセラレータ
AgriTech Nordic(ノルウェー):北欧のアグリ・フードテック分野のスタートアップの支援機関


Hokkaido Innovation Week

STARTUP HOKKAIDO実行委員会主催。起業家が創業初日から世界市場を見据えるために「グローバル・マインドセット」を養うきっかけとなるべく、世界各国からスタートアップ、投資家、スタートアップ支援機関を招聘し、スタートアップと支援者との繋がり作りやスタートアップのビジネス育成を目指す。


北王農林で「本わさび」の栽培模様、バイオマスバーナーを視察


一行はまず、北王農林(幕別町)の「本わさび」栽培の模様を視察しました。
同社の藤原さん、角田さんからは、

「ハウス内の温度は20〜30度に管理。本州では主に沢でわさびを栽培している一方、当社では川の伏流水(地下水)を活用して沢のような環境を再現している」
「病害虫対策(特にアブラムシ)に最も気を使っている」

といった内容について説明があり、海外スタートアップの皆さんも熱心に視察を行っていました。


そして、同社のアスパラガス栽培を行っているハウス内を加温するバイオマスバーナーを開発している武田鉄工所(帯広市)の佐藤さんからは、

「ハウスの加温を行うバーナーについて、通常は木のペレットを燃料とするが、当社では農業残渣物(特に小麦クズ(ハネ品の小麦))を直接燃焼してハウス内を加温することが可能」
「全長50mのハウス内であれば外気温に対して20度程度まで温度を上げることができ、温度設定をしておけば設定温度以上になると自動的にバーナーが消える仕組み」
「バーナー、熱交換器が一体化しており、フォークリフトでの移動が可能」

といった内容について説明があり、海外スタートアップの皆さんからは導入費用に関する質問などがなされていました。

帯広地方卸売市場で十勝産品の流通現場の模様を視察


午後からは、帯広地方卸売市場(帯広市)の市場内部の模様を視察しました。
同社の藤井さんからは、

「物流拠点として様々な事業者が活用する場として発展していきたい。また、現在、物流拠点施設の建設を計画中であり、連携アイデアは大歓迎」
「上水道は井戸水でありかなりの量があるため、水の使用料金は安い。夏場の水温も低いため、この点も活かせられればと考えている」
「営業用の冷蔵冷凍倉庫を設けており、自社で使う他、他事業者も荷物を預ける寄託者として利用することができる。超低温冷凍庫も完備しており、マグロなどの鮮度維持にも対応している。昨年はマイナス60℃で凍結する設備も導入し、機能強化を図っている」

といった内容について説明があり、市場内施設・設備の利活用アイデアに関する意見交換がなされました。

帯広畜産大学で十勝の概要に関するレクチャーを受け、上川大雪酒造碧雲蔵で日本酒造りの模様を視察


次に、帯広畜産大学に移動し、長澤学長から同学の取り組みや十勝の農食産業の概要に関してご説明をいただき、その後は同学の高橋さんの案内のもとバスで同学構内の視察を行いました。


そして次に、同学構内にある上川大雪酒造の碧雲蔵を訪れ、若山さんから同蔵での酒造り工程について説明を受けた他、

「他地域の日本酒醸造所との違いとして、帯広畜産大学と密に連携しているという点が挙げられる。同学の学生の方々には一年に一度、授業の一環で日本酒造りを体験してもらっている。実学を通さないと、机上の理論も実現することができないということを学んでもらう場所であると捉えている」
「碧雲蔵は2020年4月に開設。それまで30年近く十勝にお酒の醸造所がなかった中、十勝の人々にとっては地元の味がなかった。日本酒造りの仕事で最も大事にしていることは、その土地の歴史や風土、人々の生活を理解すること。そして、そこで感じたことを技術的に酒の味として実現することが杜氏として仕事であると捉えている」

といった内容について説明があり、実際に同蔵で醸造されている日本酒の試飲を行いました。

最後はLANDでのピッチイベント・交流会!


イベントの最後には、LANDでピッチイベント・交流会が行われました。
海外スタートアップ・支援機関からは、AVISOMONorwegian Mycelium(NoMy)ORANGE WASABISensonomicAgriTech Nordicが登壇し、自社で開発しているソリューションや取り組み概要に関するピッチが行われました。

(左上から時計回りに)Norwegian Mycelium(NoMy) Davidさん、ORANGE WASABI Angusさん、Sensonomic Andersさん、AVISOMO Endreさん、AgriTech Nordic Edvardさん


また、イベントに参加していたエア・ウォーター北海道コンストテック北王農林クナウパブリッシングJICA北海道(帯広)前田農産食品PonoWolves十勝FruitsVillageUANGO(札幌市)から、一分間での自社・機関紹介が行われました。

(左上から時計回りに)エア・ウォーター北海道 反保さん、コンストテック 石川さん、JICA北海道(帯広)松本さん、クナウパブリッシング 田中さん、北王農林 藤原さん

(左上から時計回りに)前田農産食品 前田さん、PonoWolves 加藤さん、UANGO 小田さん、十勝FruitsVillage 林本さん


その後は交流タイム。海外スタートアップの技術を取り入れ自社の更なる事業拡大を目指す十勝の事業者と、参加していた海外スタートアップの皆さんとの間で、積極的な情報・意見交換がなされていました。

ご参加いただいた皆さんからは、

「日本ではまだ実現できていない技術をすでに現場レベルで実装できていることに驚かされた。今回参加していた海外スタートアップとの実証実験を今後検討していきたい」
「今回参加していた海外スタートアップの技術を導入するべく、関係者間で作戦会議を開始しようと考えている」
「海外スタートアップの先進的なソリューションに触れることができ、非常に刺激になった。今後の連携可能性についてぜひ検討していきたい」

といった声が聞かれ、新事業創出・事業創発の可能性が多く生み出されたイベントとなりました。

今回の”Tokachi Innovation Caravan”では、海外スタートアップとの積極的な連携による十勝のスタートアップエコシステムの更なる成長・強化の方向性が示されたのではないかと思います。
また、海外スタートアップの先進的なソリューションが刺激となり、当日参加の十勝事業者の皆さんからは、今後の実証実験の実施や連携による新たなビジネスチャンスの可能性に対する強い期待感が示されました。

本イベントをきっかけに、十勝のスタートアップエコシステムの成熟や新事業がこれからどんどん生まれてくることを期待したいと思います!