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公益財団法人とかち財団

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十勝発のアウトドア・アドベンチャートラベル(AT)の関連ビジネス創出に向けた事業者同士のマッチングイベント「アウトドア・AT X(クロス)イノベーション in 十勝」が1月31日、北海道ホテルで開催されました。十勝管内外から39の事業者(企業・団体・個人)が参加し、新たな旅行商品やサービスなどビジネス商談に挑みました。

同イベントは、昨年のアウトドアと他産業の掛け合わせをテーマとした「アウトドアX(クロス)イノベーション in 十勝」にアドベンチャートラベル(AT)の要素を加えました。今回は、道外の事業者も加わり、前回の道内23事業者を大きく上回る39事業者が参加。新たなビジネス創発に向け、熱い商談を繰り広げました。


アウトドア・AT X(クロス)イノベーション in 十勝

昨年、初開催となったアウトドアと他産業を掛け合わせてアウトドアビジネス創出を目的とした「アウトドアX(クロス)※2イノベーション」に、アドベンチャートラベル(AT)※1という概念を加えた、十勝地域内外の様々な業種の事業者による意見交換・マッチングイベント。
【主催】経済産業省北海道経済産業局
【共催】帯広市、公益財団法人とかち財団
【協力】北海道十勝総合振興局、十勝18町村

※1 アドベンチャートラベル(AT)とは、アクティビティ、自然、異文化体験の3要素の内、2つ以上で構成される旅行形態のことであり、本質的には、アクティビティを通じて自然体験や異文化体験を行い、地域の人々と双方向で触れ合い楽しみながら、その土地の自然と文化をより深く知ることで自分の内面が変わっていくような旅行形態のことを言います。
※2 「X(クロス)」とは、アウトドア・ATと他産業の掛け合わせ(クロス)による新たな価値(エックス)の創造の2つを意味しています。



第1部 アドベンチャーツーリズムを通じた十勝の活性化セミナー


第1部では、「アドベンチャーツーリズムを通じた十勝の活性化セミナー」と題して、アドベンチャートラベル・トレードアソシエーションアジアマネージャー國谷裕紀さんが講演しました。

國谷さんは、「アドベンチャーツーリズム(AT)」とは、「地域の中小事業者と地域住民に、経済・社会的な観点でのサスティナブルな効果を残せるツーリズム」と話した上で、1万ドルを生み出すために、マスツーリズムでは100人が必要ですが、「ATであれば4人の来訪で1万ドルが達成できる。サスティナブル性の高いツーリズム」と説明。

またその理由として、「AT旅行者は学歴が高く、高額所得者層が多い。そうした人たちは進歩的で、かつ健康や自然への意識が高い。北海道はAT層に向けた商品開発がしやすい環境・土壌がある」と、改めて北海道のポテンシャルの高さを示しました。

39事業者が「1分間チャレンジ」で自己紹介



ここからは第2部がスタート。冒頭、イベント事務局である経済産業省・北海道経済産業局新関靖人さんは「今年は9月にAdventure Travel World Summit(ATWS)北海道と十勝でのポストサミットアドベンチャーが開催されるビッグチャンスの年となります」と挨拶。

続いて、とかち財団高橋司さんの進行で行われる、各参加者がそれぞれの事業内容やイベントへの意気込みなどを話す「1分間チャレンジ」がスタート。

1分間チャレンジに挑んだ、北海道の暮らしや人、モノ、ストーリーを伝える雑誌や書籍を出版する株式会社クナウパブリッシング湯川大輔さんは「今後ますます盛り上がる個人旅行需要にメディアの強みを生かして応えたい」と語ると、熱気球で十勝平野を一望できるツアーを造成する十勝空旅舎篠田博行さん「熱気球に乗ることで十勝平野と日高山脈の大パノラマをお見せできる。気軽に乗れる熱気球ツアーを造成したい」と意気込みました。

また、映像作家の逢坂芳郎さん「アメリカで映画を学び、映像作家として東京で活躍する中で、住む場所がふるさと十勝であっても活動はできると思い拠点を十勝にしました。北海道の魅力を伝える映像を作っていきたい」とふるさとへの恩返しを誓いました。他にも、北海道の体験型観光・アクティビティなどのプログラムと予約サイトを運営する札幌の株式会社北海道宝島旅行社や、滞在型のホテルを運営する株式会社十勝シティデザイン、十勝の色々な食を体験してほしいと地元十勝の焼肉店株式会社平和園などなど、様々な参加者が1分間という短い時間でユニークに自己紹介を披露。会場は大盛り上がりでした。

いよいよ本番。意見交換・マッチング


39組の自己紹介でお互いの理解が進み、会場が温まると、いよいよ事業者間のマッチングがスタート。1セット20分のマッチングを複数回繰り返すスタイルで、参加者には、事前に行った希望調査でマッチング希望のあったペアや、新たな価値創造が見込まれる可能性があると事務局が感じたペアが同じテーブルに着き、意見交換しました。

各テーブルでは、一見、アウトドアや現地での体験型観光と結びつかないような参加者らが、「こうするとこうなるよね」や「もしかしたらこんな旅行商品ができるかも」など、予想外のコラボレーションの可能性を秘めた商談が繰り広げられました。

「地域連携DMO」法人で、十勝19市町村のアウトドア観光マネジメント活動を行う株式会社デスティネーション十勝と、ソニーの映像・音声・インタラクションの技術を活用して、相手が目の前にいるようなリアリティと、同じ空間を共有しているような気配や雰囲気を感じさせる次世代コミュニケーション装置「窓」を展開するMUSVI株式会社のテーブルでは、現地の十勝と世界を「窓」の技術で結びつけることで生まれる、新たな体験について熱く語られていました。

どのテーブルもスタートから会話が弾み、面白いアイデアが次々と生まれていったようです。

参加者の声「未来は明るいと感じられました」


前回よりも大幅に増えた参加者からは「何よりも、今年9月にはAdventure Travel World Summit 北海道が開催される。いま動けば、来年以降の北海道でのアドベンチャー旅行の熱が高まる前に準備ができる」「富裕層向けのアクティビティは北海道に向いていることが改めて確認できた」「実際に商品化になりそうな話があり、進めたい」「新型コロナで新しいことが一切できなかった中で、とにかく可能性を感じて前向きになれた」などの声があがっていました。

さらに、十勝管外の参加者からは、「北海道十勝のポテンシャルの高さを感じた」「東京と十勝のコラボは絶対成功すると確信できた」「東京、札幌、十勝という大都市、都市、地方地域の連携は今後重要な手段だと思うし、可能性が広がる」などといった声が聞かれ、参加者の多くが満足するイベントとなったようです。

2023年9月に「Adventure Travel World Summit 北海道」が開催されることは、北海道・十勝にとって、アウトドアや自然・文化を世界に広める大チャンスです。多くの参加者、世界から注目を浴びる前に、十勝には何があって、何を提供できるのかを再確認しつつ、新たなビジネス創出に向けて大きく前進した1日になりました。

「アウトドア・AT X(クロス)イノベーションin十勝」を通じたつながりから、どんな連携事業や新ビジネスが起こるのか、これから大注目です!!