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アウトドアX(クロス) イノベーション in 十勝2023レポート

十勝発のアウトドア関連ビジネス創出に向けた事業者間の意見交換・マッチングイベント「アウトドアX(クロス)イノベーション in 十勝2023」が2023年12月19日、北海道ホテルで開催されました。本イベントは、アウトドア産業と他分野の融合や十勝地域と十勝外地域の事業連携を促すことで、地域を活性化し、新たなビジネスチャンスを創出することを目的としています。十勝管内外から42の事業者・団体が集結し、新しい旅行商品やサービスのビジネス商談に挑みました。本レポートでは、このイベントの内容と参加者たちの熱い思いをご紹介します。

アウトドアX(クロス)イノベーション in 十勝2023

アウトドアと他産業を掛け合わせ、十勝発のアウトドアビジネス創出を目的とした、十勝地域内外の様々な業種の事業者による意見交換・マッチングイベント。過去には2022年5月、2023年1月に同様のビジネスマッチングイベントが開催されており、今回が3回目の開催となる。
【主催】経済産業省北海道経済産業局
【共催】帯広市、公益財団法人とかち財団
【協力】北海道十勝総合振興局、十勝18町村

※ 「X(クロス)」とは、アウトドアと他産業の掛け合わせ(クロス)による新たな価値(エックス)の創造の2つを意味しています。


世界最大のアドベンチャートラベル(AT)イベントに続け!ビジネス熱が急上昇!


「アウトドアX(クロス) イノベーション in 十勝2023」は、2022年5月、2023年1月に行われたビジネスマッチングイベントに続き、今回で3回目の開催となります。

※過去の開催模様はこちら!
・【2022年5月開催】アウトドア X(クロス)イノベーション in 十勝レポート
・【2023年1月開催】アウトドア・AT X(クロス)イノベーション in 十勝 2023 レポート


特に2023年は、世界最大のATイベント「アドベンチャートラベル・ワールドサミット(ATWS)」のアジアにおける初開催場所が北海道だったこともあり、AT熱の高まりと共に、本イベントに参加した事業者の熱量も非常に高いものが感じられました!

ATの世界市場規模は70兆円を超えると言われており、ここ十勝でもアウトドアの聖地を目指し、様々な事業の種が生まれ始めています。世界規模で繋がり、ATという新たなビジネス世界の扉がこれからまさに開かれようとしています。

※アドベンチャートラベル(AT)とは、アクティビティ、自然、異文化体験の3要素の内、2つ以上で構成される旅行形態のことであり、本質的には、アクティビティを通じて自然体験や異文化体験を行い、地域の人々と双方向で触れ合い楽しみながら、その土地の自然と文化をより深く知ることで自分の内面が変わっていくような旅行形態のことを言います。


講演「アドベンチャートラベルによる地域振興の可能性」


イベントの前段では、帯広市の主催、経済産業省北海道経済産業局の共催で株式会社美ら地球 代表取締役 山田 拓氏による講演「アドベンチャートラベルによる地域振興の可能性」が開催されました。山田氏は、地方におけるインバウンド・ツーリズムの先駆者として、自然と人との共存を目指す「SATOYAMA EXPERIENCE」のプロデュースを行っています。

山田氏は自身が手掛けるSATOYAMA EXPERIENCEにおいて、田舎を訪れる外国人向けのサービスや、その商業的成功に至るまでのプロセスを詳細に語りました。

美しい風景や日常生活を体験することに価値がある


冒頭、山田氏は「ATはターゲットの特定が重要だ」とし、自身が選んだターゲットが長期滞在を望む外国人トラベラーであることを強調。特に、彼の事業は2泊以上滞在する外国人旅行者に焦点を当て、日本の田舎の美しい風景や日常生活を体験してもらうことに重きを置いていると言います。

実際に、美ら地球が提供する半日または1日のサイクリングツアーでは、飛騨の風景や地元の生活スタイルを楽しむことができます。これは、特に外国人観光客にとって新鮮で魅力的な体験であり、SATOYAMA EXPERIENCEのビジネスモデルの中心を成しています。

顧客を選ぶ勇気を持て!


さらに山田氏は、言語の選択においても戦略性を持つべきだと強調します。彼のビジネスではあえて「日本語」と「英語」のみを対応言語として採用。これは、母国語が何であれ、英語が出来る知識層をターゲットとしているからです。

また、観光消費額を増大させ、地域経済に貢献するための重要な要素として、「延べ宿泊日数」「新規雇用人数」を挙げています。現在、SATOYAMA EXPERIENCEは地域の自然と文化を活かしたサービスを通じて地域振興に大きく貢献しており、これまでのアプローチは地域に新たな価値をもたらし、持続可能な観光開発のロールモデルとなっていると言います。

参加企業による自社紹介「ATWSの勢いを継続」

その後のビジネスマッチングイベント本編では、主催者である経済産業省・北海道経済産業局の新関 靖人さんからの開会挨拶の後、とかち財団の高橋 司さんの進行で、各参加事業者・団体が自己紹介を兼ねて、それぞれの事業内容やイベントへの意気込みなどを1分間でPRしました。

2023年に独立を果たし、熱気球を中心とするアウトドアサービスを提供する十勝空旅舎の篠田代表は「熱気球の魅力と十勝で飛ぶことの素晴らしさを伝えるために、今年から本格的に事業をスタートさせました」と挨拶。篠田代表は、十勝から起業家を創出するためのプログラム「とかち・イノベーション・プログラム2023(TIP9)」に参加したことで、新たな熱気球プロジェクトを開始させました。
また、帯広市内でHOTEL NUPKAを運営する株式会社十勝シティデザインは、インバウンド需要が復調する中、帯広の夜の街なかを巡る馬車ツアー「馬車BAR」で、アジアからの集客に成功しつつあることをアピールしました。

他にも、ドローンユーザー向けのサービスを提供する株式会社Flyers品川代表、日本で初めての畑ガイド「農場ピクニック」を運営する株式会社いただきますカンパニー井田代表や、飲食、スポーツ、ITを中心とした事業で地方創生を目指し、十勝からフットサル最高峰のFリーグ入りを目指すフットサルチーム「ソルプレーサ十勝」を運営する株式会社ELFの大久保代表、スポーツアウトドアウェアの企画・製造・販売を手掛ける株式会社フォーシーズンズの沼田氏など、様々な参加者がユニークに自己紹介を披露。今回で3回目の参加となる事業者の他、初めて参加する事業者も多く、会場は大盛り上がりでした。

いざ商談!目指すは十勝発のアウトドア関連ビジネスの創出


事前のPRタイムで参加者同士の理解が進み、会場が温まると、いよいよ事業者間のマッチングがスタート。1セット20分のマッチングを複数回繰り返すスタイルで、事前に行った希望調査でマッチング希望のあったペアや、新たな価値創造が見込まれる可能性から事務局が組み合わせたペアが同じテーブルに着き、意見交換を行いました。

どのテーブルもスタートから会話が弾み、ユニークな事業アイデアが次々と生まれていったようです。

参加者の声「旅行需要の増加が見込まれる2024年に向けた期待は大きい」


2023年はアジア初開催となった世界最大のATイベント「アドベンチャートラベル・ワールドサミット(ATWS)」が開催されたこともあり、参加者からは「今年はコロナが5類となったことでインバウンド需要が帰ってきた」「ATWSにより富裕層向けの新たなアウトドアコンテンツが求められている」「2024年は通年であらゆる旅行需要増が見込まれるからこそ、今回の商談はより現実的だった」など、これまで以上の盛り上がりや熱量を肌で感じることができたようです。

「アウトドアX(クロス)イノベーション in 十勝2023」は、地域のアウトドア・観光産業の新たな可能性を探る場として、大成功と言える結果となったのではないでしょうか。本イベントを通じて、十勝発のアウトドアビジネスが一層の発展を遂げることが期待されます。

十勝地域は、アウトドアの聖地としての地位の確立を目指し、世界規模のビジネスチャンスの獲得に向けて大きな一歩を踏み出しました。今後も、十勝が「アウトドアX(クロス)イノベーション」をきっかけとして、様々な新事業が生まれていき、十勝がアウトドアの聖地として世界で認知されることを期待しています!


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