事業化戦略
事業化の枠組み
とかちABCプロジェクトでは、研究開発した素材を、主に健康に配慮した食品として活用することで事業化を進めています。
さらに、アグリ・バイオクラスター形成を資するために、「とかち元気食」構想を中心とした、差別化戦略および需要拡大戦略を進め、地場産業化から全国への発展を目指しています。
とかち元気食
食からの健康づくり貢献
現代の日本人は、40歳から74歳層でみると、男性では2人に1人、女性では5人に1人がメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が強く疑われる者、または予備軍と考えられる者(平成19年 国民健康・栄養調査結果より)という状態にあり、また高齢者にはさらに様々な健康リスクがあると言われています。
それには栄養上の問題だけでなく、運動不足や生活習慣・就業上の問題があります。しかしながら、健康リスクに直面している、あるいは健康リスクを抱えつつある人に対して、改善に必要な『食』を知る機会(食情報・食材など)を提供することは、食料基地・十勝にとって重要な役割だと考えています。
とかち元気食とは
このような「食からの健康づくりの貢献」に基づいて構想したのが、「とかち元気食」です。
「とかち元気食」とは、次の3つの要件を満たすことを基本とした、健康に配慮した食品やメニューです。
- 食生活改善の一助となるように、カロリーや栄養バランスに配慮したもの
- 科学的エヴィデンスに基づいた、十勝産の機能性素材や食材を活用したもの
- 十勝産の農畜産物を活用したもの
普段の食生活で、無理なく気軽に食することができ、なおかつ、食の楽しみを失わず、継続して摂取出来る食品やメニュー開発を進めています。
また、健康機能性だけでなく、品質特性においてもバラエティ豊かな食品作りを目指しています。
とかち元気食ロゴマーク
人が「元」気に走る姿を躍動感ある形で表現
元気の理由
- 太陽(恵まれた日照時間)
- 草木(肥沃な大地)
- 十勝産の食品群
- 水(きれいで美味しい水)
生産物のシンボルカラー
- 肉製品
- 野菜類
- 乳製品、穀類、イモ
- 水産物
- 北海道は「食」をリードする フロント・ランナー
とかち元気食のマーケティング戦略:4P戦略
「とかち元気食」の市場拡大手法に、以下の4P戦略を目指しています。
健康に配慮した商品を、手軽に入手し易い状況を設定し、関係者との連携による普及を進めていきます。
- Product
- 介護食・健康管理食
低カロリー食品・食物繊維補強食品
- Price
- 常食として消費者が手軽に購入できるような価格
- Place
- 機能性素材は十勝に流通拠点を設置(BtoB市場)
食品は主として量販店向け(BtoC市場)
- Promotion
- 栄養士・シェフ・料理家・関係団体・企業との連携・協力
ロゴマークによる普及活動:イベント、展示会、試食会
とかち元気食の素材イメージ例
「とかち元気食」のメイン素材には、ABCプロジェクトで開発された「ホエーイヌリンクリーム」など機能性素材を活用した食品があります。
知的財産戦略
本事業の研究開発戦略は、
- 機能性素材の抽出技術の確立と、それらの健康機能性・品質特性を解明すること
- 食中毒菌に対する遺伝学的、免疫学的方法等を駆使した新検査技術を開発し、それらを総合的に活用することによって効率的で精度の高い食中毒菌検査手法を確立すること
を目指しています。
研究開発戦略に基づいて開発された素材・技術は、事業化戦略に役立つように、技術としての付加価値を高めるべく、知的財産権(特許、商標等)の取得を目指しています。
取得した知的財産権は、地域性を考慮して、活用法を検討しており、コア技術の特許については、権利者の独占的活用を原則とし、周辺技術の特許については、地域性を優先した活用を原則としています。
機能性素材や食材の周知を図り、かつ将来の地域ブランド化および地域の食文化に資するため、とかち元気食の商標登録を行い、事業PRに活用します。