事業概要
事業概要
食料自給率1100%、養える人口400万人(カロリーベース)。
十勝エリアは、畑作・畜産を中心とした全国有数の農業地帯で、耕地面積は約256千円ha(全国の約5.5%)、農業産出額は約2,500億円(全国の約3%)を占めています。また、帯広畜産大学をはじめとした、多くの試験研究機関などが集積しています。
これらを背景に、とかちABCプロジェクトのテーマである、
- 農畜産物および加工副産物からの新規機能性素材開発
- 農畜産物および加工品の安全性確保
のための技術開発を行い、その事業化を図っています。
さらに、これらの技術をベースにした「食品検査ラボ」を中核として、高付加価値を持ち競争力のある食品産業を中心とした、十勝型アグリ・バイオクラスター形成を目指します。
事業概念図
推進体制
提案者 | 北海道 および 帯広市 |
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中核機関 | 公益財団法人とかち財団 |
事業総括 | 伊藤 繁(帯広畜産大学 特任教授)〈専任〉 |
研究統括 | 大庭 潔(公益財団法人とかち財団 事業部 部長)〈兼任〉 |
副研究統括 | 倉園 久生(帯広畜産大学 教授) |
研究テーマ1リーダー | 葛西 大介(公益財団法人とかち財団 事業部 研究開発課 課長) |
研究テーマ2リーダー | 川本 恵子(帯広畜産大学 准教授) |
科学技術コーディネータ | 中野 智〈専任〉、梅沢 晃〈専任〉、大野 勝昭〈専任〉、 清水 條資〈専任〉 |
十勝の基盤強化に向けた連携による取り組み
この数年、各地において地域の強みとなる分野を核に、基盤産業・関連産業を育成させようという「産業クラスター」構想の取り組みが活発化しています。
十勝においても、農と食をテーマに、各研究機関、北海道・帯広市などの自治体、そして地元企業の連携により各種の事業が進められています。
それらの様々な事業を通じ、十勝の持つ可能性を活かし、目標を達成するために、今後さらなる地域全体での連携・ネットワークの強化に努めます。
十勝の地域構想、農業・食に関連する取り組み(抜粋) | |
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団 体 | 名 称 |
北海道 | 新・北海道総合計画 ~ほっかいどう未来創造プラン |
北海道 | 北海道科学技術振興戦略 |
十勝管内19市町村 他※ | 北海道フード・コンプレックス 国際戦略総合特区(HFC特区) |
帯広市 | 帯広市第6期総合計画 帯広市産業振興ビジョン |
帯広市 | 産学官連携推進事業 |
フードバレーとかち推進協議会 | 「フードバレーとかち」の推進 |
帯広畜産大学ほか | 「スクラム十勝」の取り組み |
帯広畜産大学 | 自治体・企業などとの連携協定 |
帯広市・帯広畜産大学 | フードバレーとかち人材育成事業 |
※十勝管内19市町村及び、北海道、札幌市、江別市、函館市、北海道経済連合会で提案
文部科学省 イノベーションシステム整備事業
地域イノベーション戦略支援プログラム(都市エリア型)について
事業の目的
本事業は、大学等の「知」を活用して新技術シーズを創出し自立的・継続的な産学官連携基盤を構築することにより、研究開発型の地域産業の育成を図り、小規模でも地域の特色を活かした強みを持つクラスターを形成することを目的としています。
事業の概要
平成23年度からは、文部科学省、経済産業省及び農林水産省が共同で、地域イノベーションの創出に向けた主体的かつ優れた構想を持つ地域を「地域イノベーション戦略推進地域」として選定することとなりました。
選定された地域のうち、文部科学省による支援が地域イノベーション戦略の実現へ大きく貢献すると認められる地域に対して、知的財産の形成、人材育成(ソフト・ヒューマン)等を重視した本事業による支援を行うこととされています。
十勝エリアでは、平成17年度より文部科学省が実施するイノベーションを持続的に創出するクラスター形成に向けた取り組みを行ってきた実績から、これまでのクラスター形成活動等の成果を着実に発展させ、地域が自立して持続的に発展できるクラスターを形成できるよう、本事業の継続地域として、平成25年度まで、引き続き支援を受けるものです。
フードバレーとかちの取り組み
オール十勝が一体となって、十勝地域が優位性を有する「食」と「農業」による経済成長戦略です。
アジアの食と農業の集積拠点を目指すとともに、まちづくり全般と関連付けした地域産業政策です。
優位性を活かすための方向性として、3つの展開方策で進めています。
北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区の取り組み
「北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区(フード特区)※」では、北海道の優位性を最大限活かし、生産から販売の各分野から成る強固なバリューチェーン(価値連鎖)を形成し、これにより農水産業や食品産業の強化を図り、国が目標として掲げている「食料自給率の向上」や「食品の輸出拡大」に 貢献します。
そして、その成果を北海道全体および日本全体に波及させ、ひいては海外需要を発掘し、国際競争力のある食産業の拠点を目指していきます。
帯広・十勝エリアは、農業と⾷品産業が連携し、高付加価値食品を新たに生み出したり、研究拠点を作るとともに、安全で高品質な農畜産物の生産拡大と高付加価値化に取り組みます。
※ 十勝管内19市町村及び、北海道、札幌市、江別市、函館市、北海道経済連合会が「北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区」として、平成23年12月22日に国の国際戦略総合特別区域に指定されました。
出展:フード特区機構HPより
十勝型アグリ・バイオクラスター
とかちABCプロジェクトの目標は、「十勝型アグリ・バイオクラスター」の拠点を形成することにあります。
「十勝型アグリ・バイオクラスター」の形成像
とかちABCプロジェクトでは、
- 農畜産物および加工副産物から素材を抽出し、その健康機能性と品質特性を解析して新規機能性素材を開発すること
- 農畜産物および加工品の安全性を保証する、食中毒菌検査技術を開発すること
を目的として推進しております。
この2つのテーマ間を結び付ける軸として「食品検査ラボ」を設置し、「十勝型アグリ・バイオクラスター」形成の中核に位置付けています。
また、「とかち元気食」を中心とした事業化を推進しており、この事業推進を通じて、地域のブランド力を高め、消費者の支持を獲得し、国内外での競争に勝ち抜くための技術的基盤を築くことを目指しています。
そして、地域間の産学官連携ネットワークや様々な活動から、「十勝型アグリ・バイオクラスター」を形成し、今後も十勝地域に根付く財産として発展させていきます。
「十勝型アグリ・バイオクラスター」の将来像
とかちABCプロジェクト終了後も、十勝産の農畜産物から、新たな健康機能性の探索を継続するとともに、この事業で健康機能性や品質特性が明らかになった素材を活用して、「とかち元気食」を中心とした、様々な商品群を生み出すことを目指します。
また、食品検査ラボでの機能性評価および安全性評価によって、地域の食産業をサポートし、地域内外へPR・情報発信していきます。
そして、北海道フード特区・フードバレーとかちと連携しつつ、十勝型アグリ・バイオクラスターの発展を目指します。