公益財団法人とかち財団は、十勝管内において起業した事業者の支援を目的とした助成金事業「アーリーステージ事業者支援」の令和2年度の採択事業者を決定いたしました。
アーリーステージ事業者支援は、アーリーステージ(成長初期段階)の企業等の事業のステップアップを支援し、地域経済への波及効果を増大させることを目的とした助成金事業で、十勝管内に主たる事業所があり、事業開始後1年以上5年以内の事業者が対象です。助成金限度額は300万円で、事業を拡大成長させる上で必要と認められる経費を対象とします。
とかち財団が地域産業の担い手を通じた創業・起業・事業創発の促進による地域産業活性化を図るため、平成30年度(2018年度)より新たに開始した人材育成事業「とかち財団ビジネス支援プロジェクト2020」の一つです。IT、食品製造、小売、サービス、観光など、様々な業種業態の十勝の起業家から、多数の応募が集まりました。
選考委員による最終審査では、一次審査を通過した事業者が、事業内容や事業に対する自らの想いや考え方を発信する面談選考に挑み、事業の成長性や熱意・意欲、地域への波及効果などの評価が高かった2者を採択いたしました。
(左)公益財団法人とかち財団 理事長 長澤秀行 (右)株式会社at Local 代表取締役 堀田悠希さん
北海道十勝士幌町にて、「『しほろ町らしさ』が伝わる施設」をスローガンに道の駅ピア21しほろ内のにじいろ食堂、カフェ寛一、ショップ等の運営・業務委託を行っている。また地域資源を活用した商品開発を行い、町民が誇りに思う商品作り、魅力溢れるお土産品、売り場作りに力を入れ、通過型だった道の駅から滞在型の道の駅を目指している。「この地域の良さ、価値をさらに見出し、この地域と社会に貢献する」ことを企業理念に掲げている。
しほろ町のヒトとコトを結ぶ。“しほろ町らしさを見える化”商品開発プロジェクトを行う。かぼちゃ等のしほろ産食材を使用し、士幌高校の志ラボの生徒と士幌の農家、デザイナー、資材屋、製造会社、町づくり会社と共に商品開発をおこなうことで、企画・生産・製造・販売、独自のバリューチェーンを確立する。将来的に、農家×料理人の加工品製造販売や、規格外野菜を活用した漬物などの製造販売をおこなうローカルファクトリー「平原ストア」を2023年までにオープンすることを目指している。
(左)晴cafe合同会社 代表社員 景山善美さん (中)公益財団法人とかち財団 理事長 長澤秀行 (右)晴cafe合同会社 代表社員 安久澤智子さん
北海道・十勝産の原料を使い、糖質を抑えた菓子の製造、販売を行っている。菓子の主原料は独自加工した十勝産大豆を用い、砂糖は使用せず、身体に吸収されない希少糖で甘みを付けているのが特徴である。製造は地場の福祉施設と連携して行っている。2012年より運営していた隠れ家的カフェが会社の前身で、代表の景山が体調を崩したことがきっかけとなり、糖尿病の家族を持つ安久澤と共に、おいしくて身体に優しい菓子作りの道に入る。主力商品は「とかち大豆のグラノーラ」と糖質を抑えたクッキーである。レシピは糖質制限の考え方を取り入れ、地場産の原料を吟味しながら独自開発をしている。
「糖質を抑えた、高たんぱくの備蓄食が欲しい」というニーズに焦点を当てた、十勝産の原料を使ったロングライフ食の開発を行う。ニーズや生活様式の多様化に伴い、糖質制限中の人、糖尿病患者やその予備軍をターゲットとする。災害時の医療資源の不足、および避難生活による体調の乱れを想定し、「原材料までこだわった、低糖質の備蓄食」という新たなジャンルの防災食を提案する。十勝産の原料に光を当てることで、地域のブランド力向上、雇用の創出に貢献したい。